中村耳鼻咽喉科(春日井市役所東・八幡小北隣)
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もっと知りたい花粉症治療

●レーザー治療・症状によって改善率が違うわけ
鼻の穴をのぞいた時に、少し奥に赤く見えているのが、下鼻甲介の前の方(鼻の構造参照)です。レーザー治療では、この下鼻甲介の部分の粘膜を花粉の侵入しにくい構造に変え、腫(は)れにくくすることで、空気の通りをよくします(アレルギー性鼻炎のレーザー治療参照)。粘膜が、アレルギー反応を起こしにくい構造になるため、治療前よりも、くしゃみ・鼻水等の鼻炎症状も軽くなる方が多いです。しかし、粘膜は再生してきますし、治療していない部分に花粉がつけば、くしゃみ・鼻水を起こす神経が刺激されてしまうため、症状が完全に消えるわけではありません(症状の程度によってはお薬が必要な場合もあります。)。鼻閉の改善に比べ、くしゃみ・鼻水の症状の改善が期待通りでない場合があるのはこのためです。もっと広くレーザー治療できたらいいわけですが、中鼻甲介まで焼いてしまうと、臭いがわかりにくくなったり、粘膜の腫れによって副鼻腔の出口が塞がれてトラブルが起こるため、下鼻甲介の所だけを治療します。

●注射の治療

特異的減感作療法と非特異的減感作療法


特異的減感作療法
 (特定のアレルギー原因物質に対する治療)
アレルギーの原因となる物質(スギ花粉症では、スギ花粉のエキス)を皮下(皮膚の浅いところ)に注射します。だんだんエキスの濃度を濃くして体を慣れさせて、少々の花粉が鼻についたくらいでは体が反応しないようにするのが目的です。花粉エキスは体にとって異物ですから、注射部位が腫れるなどのトラブルや、場合によってはショック症状を起こす可能性があります。こうした症状を十分観察し、安全に配慮しながら慎重にすすめていく治療です。複数の原因物質でアレルギー反応を起こしている場合、注射する物質以外の原因物質が起こすアレルギー症状の改善はなく、スギ花粉エキスでスギ花粉症だけが治療されても、他の物質(ハウスダスト等)に対するアレルギー反応まで改善するわけではありません。

※スギ花粉の減感作療法は、諸事情により現在休止しています。悪しからずご了承ください。


非特異的減感作療法
 (アレルギー反応全体を抑える体質改善剤)
ヒスタグロビン、ノイロトロピンといった薬剤を1〜2週に1回注射します。ヒスタグロビンは、ヒスタミン加人免疫グロブリン製剤(血液製剤)で、スギ花粉以外のアレルギー性鼻炎にも効果があります。現在の製法の血液製剤では、肝炎やエイズなどの重大な感染症の報告はありませんが、技術上、完全には不活化・除去できないウィルスや病原体もあるため、そうしたリスクを承知していただいた上で行われている治療です。

ステロイドの筋肉注射
1回の注射で症状を改善し、花粉症のシーズンの間ずっと効果が続きます。花粉症のアレルギー反応を抑えるだけでなく、全身の免疫機能全体を働きにくくしてしまうため、感染症にかかった時に重症化するリスクや、注射部位の萎縮・陥没、月経異常、クッシング様症状(満月様顔貌)、糖尿病、肝障害、腎障害、消化器症状、電解質異常、体重増加、不眠・躁状態などの精神症状、緑内障等、多種多様な副作用が出現する可能性があります。1回の注射で効果が持続する反面、副作用が出現した場合、薬が体に残っている間中、強い副作用が持続します。また、骨粗鬆症など自覚症状がないまま進行していく副作用もあります。

※アレルギー性鼻炎に対するステロイド注射は、副作用の面から考えると、おすすめできる治療ではありませんので、当院では行っておりません

●点鼻用血管収縮薬の連用はダメです
血管収縮薬は、鼻づまりの症状に即効性があり、非常に良く効くお薬です。しかし、連続して使用していると、効いている時間が短くなり、使用を止めるとリバウンドで血管が広がって、鼻づまりが悪化するようになってきます。そのため、どんどん使用回数が増えるという悪循環に陥りやすいお薬ですので、耳鼻科では、鼻閉の強い時の短期間の使用に限って処方しています。市販薬の鼻のスプレーにも含まれている成分ですので、連用には注意してください。

●漢方
鼻水の多い鼻炎症状の方に使うことが多いのが、小青竜湯です。漢方薬は生薬由来の成分ですので、抗ヒスタミン薬のような眠気はありませんが、全く副作用の無いお薬というわけではありません。漢方は、飲まれる方の体の状態・体質によって、効果や副作用(合う、合わない)が大きく違うお薬です。

●温熱療法
内服薬を避けたい妊婦の方等で、少しでも鼻炎症状を和らげたい場合に、自宅でできる「温熱療法」という方法があります。市販されている器具を使って、5〜10分間、43℃の蒸気の粒を鼻から吸入します。温熱療法によって、鼻の血流がよくなるとか、鼻のスギ花粉を洗い流す効果がある等、紹介されている治療法です。手間はかかりますが、特に副作用はありません。現在市販されている器具には、以下のようなものがあります。(お値段は、定価で10000〜15000円くらいです。)

  A&D 口鼻両用超音波温熱吸入器 UN-132 ☆
                   UN-133A
  オムロン スチームサワ NE-S18
  松下電工 スチーム吸入器 EW-637W

(☆のA&Dの製品は、鼻専用のノズルがついていて鼻の部分だけにスチームを送ることができます。UN-133A、オムロンと松下電工の製品は鼻とのどと兼用で、すっぽりと覆うような形です(下写真)。購入をお考えの方は、花粉症関連のホームページで、実際に使われている方の体験談等を参考にされてはいかがでしょうか。)



▲ オムロン スチームサワ NE-S18 写真(オムロン提供)