ガレージキットのつくりかた
ここでは無発泡ウレタン製フィギュアの作り方を中心に述べていきます。 メカものやモンスターも似たような工程で可能かと思いますが、専門外なので割愛します^_^;
材質がソフビやメタルであると、少々異なる処理が必要になりますが、 概説としては似たようなものですむかと思います。 これらの扱いについてはそのうちにでもぼちぼち書いていきたいと思います。
当然のことながら、ここで書いていることは「私」のとっている方法であり、 絶対ではありません。 もっとよい方法があるでしょうし、作る人ごとにつくるやりかた、というものがあると思います。 もっとよいやり方がある、とかいうときには、後藤にも教えてくださいね。m_o_m

ちなみに、以下のページにもガレージキット作成の方法についてのきわめて丁寧な解説があるので参照されることをおすすめします。 できるだけ多くのやり方を見て、自分にあった、自分がよいと思える方法論を組み上げてください。
  1. Plus
  2. サンデーときモデラープロジェクト
  3. 千葉大模型同好会のページ・海ちゃん制作レポート
  4. GIPANIMAX

1:キットを見る
まずはキットをしげしげと見ます。 理由の一つとして、キットの傷、気泡、パーツ不足欠けを確認することがあります。 パーツ不足についてはどうしようもないので、 (最近のキットではイベント限定個人キットであっても)連絡先が記載されていますので、 その連絡先に手紙をだしましょう。 キットの傷や気泡については、場合によっては大きく制作手順を変更しなくてはならない場合もあるので、 それが組み上げ時にどの位置にくるか頭の中で確かめます(仮組してしまうのが確実です)。
また、別の理由として、自分のなかのテンションを高める効果があります。 頭の中で、自分なりのキャラクターイメージを構築していきます。 もしずれがあるとすれば、それがそのキットの改修点となります。
この時点で基本的な作成戦略はほぼできあがります(できてないとまずいです^_^;)。

以下続く


ワンポイントQ&A
Q:私もフィギュアをつくっているのですが、どうも瞳をいれるのが苦手です。 何かうまく行く方法がありませんか

A:どれだけ参考になるかはわかりませんが、私の「考え」を書いてみます。 スケールにもよるのですが、重要な点は色彩と縁取りかと思います。
まずは縁取りですが、これはまつげや目の輪郭、目の玉の輪郭などの細い線 一般を指しているものと思ってください。これらは十分に細い線でなくてはなら ないので、塗料は延びのよいものを選びます。模型用エナメルや細密画用の アクリルガッシュといったところを私は使っています。一般に濃い色を使うこと が多いので、かなり薄めます。しかし、にじむ(下地が半光沢や艶消しだと、 表面荒れに沿って塗料がにじんで、結構悲惨なことになります)ことはない程 度にします。 細い線を書くには、細い線を直接書く(説明になってませんね^_^;)やりかたと、 太い線の外側を消していくやり方があります。まつげなどは前者で、目の玉の 境界は後者で行っています。これは線の色と、下地の色の相対的な関係で 適当に決めます。消し易ければ後者の方法、難しければ前者の方法です。 まつげの周辺色は明るい肌色が多いので濃い茶色の線などを消すのにどう しても厚塗りになってしまい、段差が見えてしまいますが、周辺色が濃い青な らば、ジャーマングレーの線を消すのにさほど苦労はありません。 いずれにしろ、最高級の筆(といっても、私は一本2000円弱ぐらいのものし か買えませんが、一本300円の面相筆よりずっと楽になります)が必要です。 そのうえヤスリ以上に筆は消耗品ですから、かなりお金がかかるのが、瞳を 書くときの悩みです^_^;。
最近はガンダムマーカーとか類似の0.05mm幅のペンが出ていますので、こ んど試してみようかなと思っています。 これはいい噂聞きませんが、実際のところどうなのでしょうかね?
色調ですが、アニメのキャラクターであればアニメのように塗ればよいかと思 います。眼球は基本的に透明(少なくとも半透明)なものですから、これを彩 色で似せるつもりであれば、眼球上部のほうが暗い色になります。これは白 目で特に顕著で、私はかなり青を混ぜ込みます。これに比べると瞳はかなり 目立ちませんが、それでも上部は下部に比べると濃い色を使用します。 ハイライトは白をそのまま使ってしまうことが多いです。両眼の方向が一致さ えとれていれば大きさはそのときの気分で決めます。特に大きなハイライトだ と縁取りをすることがありますが、やらないことの方が多いです。 縁取りの色は周りの色に合わせますが、よく使うのは、レッドブラウン、ミディ アムブルー、ジャーマングレーといったところです。黒そのものはちょっときつ すぎるので使用しない方が無難です。 ホワイト入れについては、そんなことせずに、艶あり塗料で塗って、自然の光 沢に任せるべきという意見もあります。光沢にするか、艶消しにするかは悩ま しいものがありますが、ドールアイのような透明材を使用できるならともかく、 ウレタンを基材にするのであれば、艶消し(+ホワイト入れ)で処理した方が 現実的と思います。

Q:”肌色”ですが、水性にガッシュを混ぜると塗膜の強度はどうなのでしょうか? オーバーコートで解決できるのでしょうか?

A:強度は問題です。ガッシュは比較級でほかの絵画顔料より丈夫かつ 喰い付きがよいのですが、それでも基剤の関係上どうしても弱くなる ようです。 模型用塗料に比べてガッシュの量が少なければ(たとえば模型用白 塗料にアクリルガッシュ赤を加える、というような場合)はあまり問題 がないのですが、アクリルガッシュをベースにするにはメディアムを加 えないとつらいです。でもそうすると延びないんですよね(あたりまえ だけど-_-;;;)。ですから、瞳やまつげなどごく小さな(かつ細かな)部 分ではガッシュのまま塗ってしまい(どうせパステルで色調整します ので)ホルベインのマットフィニッシュでコートしてます。
#トップコートスプレーだとどうも荒くて...
昔はラッカー系、水性アクリル系、エナメル系を一つの模型ですべて 使っていましたが、マットフィニッシュを使用するので最近エナメルの 使用頻度が減っています。それでもガッシュの方がエナメル(たとえ ハンブロールと比較しても)より扱いが楽なので、最近はガッシュに転ん でいますといった状況です。
#本当はラッカー系塗料で塗った方がよいのでしょうね

Q:エアブラシの道具はどのようなものがよいでしょうか?

A:ハンドピースが必須で、あとはエアーの供給をボンベにするか、コンプレッサーにするかですね。 いずれにしても、模型制作上もっともお金のかかるもののひとつではないでしょうか。 慎重に選びたい気持ちは十分わかります^_^;

ハンドピースは後述するとして、まず、エアーの供給源について記します。
先述したように、大きく分けて、ボンベ(プロペラントタンク)か、コンプレッサーかということになります。 タイヤチューブに空気を入れて、このチューブの上に座ってエアーを押し出す、とかのけっこうな力技もありますが、 現実的に考えるとやはり先の2種類に落ち着くかとおもいます。
どちらにするかは使用頻度で決めるしかないでしょう。 ボンベは使用するごとにお金がかかりますが、一本あたりはそう高いというものではありません (大缶で2000円ぐらいでしたっけ?最近買っていないからわかんないや^_^;)。 一方コンプレッサーは初期投資はかかりますが、ランニングコストはほぼ電気代だけとただ同然です。 1年に1/8スケールを1体作成、とかいうのであれば、結果的にボンベのほうが得ではないでしょうか。
昔はボンベというとフロンが中心だったのですが、最近はオゾンホールがどーたらとの理由で、 きわめて爆発製の高いLPGガスが主流のようです(あれ、日本だと代替フロンで済んでいるのだっけ?)。 ボンベは内部の液化ガスが気化してエア(文字通りの空気、という意味ではないですが)を供給しますので、 当然のことながら気化熱を奪っていきます。 で、また、この目的に使用するフロンやLPGというのが気温程度の温度域で温度に敏感でして、 ボンベが冷えると急激にガス圧が下がってしまうのです。 これを避けるためには、まず一つの方法としてボンベの温度を上げる、ということがあります。 冬場は結構ボンベをお湯につけ込んでおきました。 フロンの時代だと、ストーブの上にのっけてしまう、という強者もいましたが、 さすがに現在のLPGでそのような自殺行為をする人はいないようです。
#ガス爆発は近所迷惑なので、他の死に方探しましょうね。
##しかしLPGだと、そばで暖房器具使えないし、換気も気になるし、冬場はつらいですね。
ただ、このような方法も行きすぎると、ボンベでは気化できたが、 ハンドピースあたりで(ボンベより温度が低いとき)再液化し、塗料と謎の液体の混合物が模型に向かって発射され、 模型表面はあばただらけの塗料で覆われる、という悲惨なことになりますので注意してください。
別の方法としては、ボンベを並列化する、という方法がありますが、これには専用のアダプタが必要なので、 難しいですね。 昔は、ガスガン(エアーソフトガンなのですが、フロンボンベのガスで発射するものです)用のアダプタを蒲田のむげんあたりで買い求めて、模型用にしてくれとか言うと直してくれていたものですが、いまではガスガンなぞ電動ガンに駆逐されていますから、 それ用のアダプタなぞ、ないでしょうね-_-;
米国では、二酸化炭素のボンベが(なんか、カクテル用、とかで)すぐに入手できます。 小さいものは小型消火器程度のものから大きいものはプロパンガスを一回り小さくしたようなものまであり、 これにレギュレータ(圧力調整器)のみを購入して、ボンベ自体は二酸化炭素を再充填してもらって再利用(再借用?)できます。 安全性からいうと、火炎放射器と消火器ぐらいの違いがあるので(また、気化の具合も安定しているので)知り合いは結構使っていました。 ただ、日本ではあまり聞かないので、現実的な選択肢ではないかもしれません。
ほとんど無音で、量を使用しなければ安いボンベですが、上記のようなガス圧の不安定性や、 万が一模型制作中にボンベが切れたとき、そして、ストックもなかったとき、作業を中断して(で、普通、夜半に作業しているので翌日まで待って)ボンベを買いに行くというのは精神的にかなりきついことから、後藤の場合、コストは趣味の必要経費と割り切って、 早々にコンプレッサ派に転んでしまいました。

まず、コンプレッサの長所をあげますと、コンプレッサにすると、先に書いたようにランニングコストはただ同然なので、 エアーは使い放題、従って、かなりこまめに丁寧にハンドピースの清掃を行えます。 そのため、ハンドピースの調子はよいわ、塗装中の色の混ざりが(あるんですよ、よく洗わないで次の色入れて、 妙に緑っぽい肌色吹いたり^_-;;;)ないわ、結構作業がはかどります。
短所はというと、やはり価格でしょう。 安くとも2万円、「普通」のものを買おうとおもうと5万円、とかします。
また、騒音も問題です。
音の静かな、といううたい文句のダイアフラム方式でも、とてもうるさくて布団周りに巻いてすら騒音が漏れる、というもので、 とても夜間に(アパートやマンションで)使えるものではありません。 ただ、騒音に関しては、お金さえ出せばかなり静かな機種がありますので、解決できないことはありません。

ここで、ざっとコンプレッサの分類をしてしまいましょう。
まず、空気圧縮の方法として、ダイアフラム方式とピストン方式があります。 前者の方が音が静かなのですが、空気圧はさほど上がりません。3気圧がよいところでしょうか。 後者はこの逆といったところです。
また、方法名は知らないのですが、低価格コンプレッサのなかにはいわゆる「金魚用ポンプ」に近いものもあります。 これはゴム管をローラーでのばしていく、というような方法で、脈動がやや少なく、音も静か、そのかわり空気圧は低いし空気流量も小さい、というものです。
ダイアフラムやピストン方式では、空気に脈動がついてしまいます。 これは塗装するときにじゃまですので、取り去りたいのですが、 脈動を押さえるためには主にタンクを使用します。
これはコンプレッサの出力を一時タンクに貯めて、これをバッファとして脈動を押さえるというものです。 0.5lから10lぐらいまでがよく見かけるタンク容量でしょうか。 バッファですから、大きければ大きいほど効果があるわけですが、 0.5lとかの気休めにしか見えない容量でもほぼ万全の効果があるそうです。
あとは騒音を押さえるためにコンプレッサを「密閉式」にするか、放熱・空冷を重視して「解放式」にするか、ぐらいの分類でしょうか。

お薦めからいってしまうと、きわめて高価(10万円前後)ではありますが、 コンプレッサーはやはり密閉式のほうが音が静かで、 夜中にしか制作時間をとれない私たちにはPPMにはもう議論の余地なくこれを選択すべきかと思います。 密閉式コンプレッサーとなると、入手できるのはレトラセットかワーサー(ホルベイン)か、 いずれかのメーカーしかないと思います。 レトラの方が有名ですが、ワーサーの方が同じスペックなら価格は安いです。 私の使っているワーサー30Dは、8気圧、30l/minでタンク4l付きで(新宿世界堂で)7万円ぐらいでした。 スペック的にはレトラの最上位(8/30でしたっけ?)とほぼ同等です。 レギュレータ付きエアフィルタ、自動スイッチもついていますし、騒音も同じくらいです。
#スイッチの音が一番うるさい
同スペック品でいずれを選ぶかは、まあ、外観の好みの問題という程度だと思います。 ここら辺のクラスになると、どちらを買っても、私の知り合いでは(私を含めて)大概の人は満足しています。

よいコンプレッサーは高価ですけど、逆は必ずしも真ではないですし、私 が選ぶときの騒音や脈動以外の(あくまで私見ですが)基準を書いてみますと:

  1. 空気圧: あまり低いとぺたぺたした塗装になってしまいます。 個人的な好みもあるのですが、模型用塗料を吹くなら3気圧は出た方がよいかと思います。
  2. 空気吐き出し量: カタログ上の空気圧は常に出るわけではありません。 吐き出し量以上のエアを吹き出せば空気圧は限りなく1に (この場合大気圧との差分だから限りなく0に,でよいのか^_^;)近づきます。 空気圧を保持するためには通常模型用の口径0.3mmクラスのハンドピースなら全開でも20L/minぐらいあれば十分です。
  3. 連続動作時間 ^_^;: 実際に塗料を吹いている連続時間なんてたかがしれているのだけど、 スイッチついていないと吹いていなくてもコンプレッサーは動いていますからね。 タンク+圧感知スイッチがついていれば普通のコンプレッサーなら(で、普通の塗り方 なら^_^;)実際に必要な空気分しかコンプレッサーが動かない(ほとんど止まっている ようなものです)ので、動作時間などあまり問題にならないのですが、タンクつくとどーゆーわけか結構高価になってしまいます。
    #先に紹介したレトラセットの5/17では自動スイッチがなく、常時運転しているため、運転時間が短いのではないかと私は心配するのですが、使っている知り合いの話では問題ないとのことです。
     手元にスイッチつけて、こまめに消す、ということも可能だけど、スイッチ切ると当然 空気圧が大気圧並になるので、塗料の供給が重力式のハンドピース使っていると(特に 内部混合式だと)ノズルを経由して塗料・シンナーがエアホースやコンプレッサーまで 落ちてくることもあります。このときは結構悲惨なことになるので、あまり手元スイッチはおすすめしません。 脈動なくなるし、水分とれるし、実使用可能時間がほぼ無限大になるので、思い切って連動スイッチのついたタンク付きにしちゃうとか(<悪魔のささやき^_^;)。

で、必須のハンドピースですが、機構的には、「ダブルアクション」対「シングルアクション」、 「重力式」対「吸い上げ式」、「内部混合式」対「外部混合式」と分類できます。
ダブルアクションは空気流量と塗料供給量が一つのスイッチ(普通ボタン)で行えます。 下に押すとエアー、手前に倒すと塗料、というように。 シングルアクションは空気流量のみスイッチで制御し、塗料の量は別にねじ等で調整します。
重力式は、塗料の供給が重力によって行われるもので、外観的には噴出口より上に塗料カップがついています。 吸い上げ式はサイフォンの原理(でしたっけ?ベルヌーイ原理で圧の低下した方に液体が流れていくというあれですが)をもちいたもので、塗料ボトルが噴出口より下についています。
「内部混合式」とはエアノズルと塗料ノズルがほとんど一体となっているものです。 これに対して「外部混合式」とはエアノズルと塗料ノズルが分離しているものです。 一般のハンドピースは内部混合式で、廉価版、すなわち精度の劣るものに、外部混合式が多いです。 (とはいえ、最高精度のハンドピースが外部混合式だったりするので、 一概に言えないのですが)

フィギュアの塗装を考えるのであれば、 ハンドピースに関しては内部混合式のダブルアクションになるでしょうか。 肌や髪のグラデーション処理をするのであれば、ダブルアクションは必須でしょ うし、できればニードルアジャスタ(軸のお尻についているねじ。ニードルが下 がれる最大を決められるので、誤って指が滑っても、一気に塗料を吹くことが ない)がついている方が精神的に楽だと思います。ノズル径は、ラッカー塗料 を使用するのであれば0.3mmになります。水性アクリル塗料しか使用せず、 かつすでに0.3mmノズルを持っているのなら、0.2mmノズルがあるときめ細 かな塗装が楽になります。塗料カップは重力式が主流を占めていますが、 後藤は吸い上げ式が結構好きです。グンゼのものだと、Mr.Colorのボトルが 直結できるので、塗料を保存しているボトル自身がハンドピース用塗料ボトルになりますので、 移し替える必要もなく塗料の無駄が最小限になります。(これがうれしい^_^;)
重力式なら、固定式のほうが洗浄が楽かと思います(一般に価格も安いです し)。塗料カップはラッカー系塗料を使用することを考えると、乾燥を少しでも抑えるために、 ふたのついているタイプの方がよいかと思います。 しかしふた付きだと、カップは大きめになるし(7ccぐらい)ふた自身もあるので、やや重めになります。 同じ重力式でもハンドピース上に直接カップのついているものの方が、 カップが横に(ねじ込んで止めて)ついているものより洗浄が容易です。 従って、実際に塗装している時間とハンドピースを洗浄している時間(こっちの方が塗装時間より長かったりして^_^;)の比を考慮すると、カップ上方固定式が望ましいかと思います。 カップの重心のことを考え、ハンドピースの持ったときのバランスに限定して考えれば、吸い上げ式の方が優れていると思うのに、はやらないのは、普通の塗装では結構な色数を使用するためハンドピースを洗浄して色を変えることになるのですが、 このときハンドピースを洗うのが面倒だからなのでしょうねぇ....ごちゃごちゃとしていますから<吸い上げ式


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